ためしてガッテン!東洋の神秘「はり治療」SPを見ました
ためしてガッテン!はり治療SPを見た感想
谷口です。
2月20日(水)にNHKの「ためしてガッテン」で鍼治療の特集がありました。
45分の番組で鍼治療の特集となれば、鍼灸師はかぶりつきで見てしまいます。番組冒頭の街頭インタビューでは鍼灸のイメージを聞いていました。
「効くよ!」「すごくいい」と言ってる人もいれば、「効かない」「うさんくさい」と言ってる人もいます。リアルな声を目の当たりにして興奮してしまいました。
科学的ではないから神秘的?
鍼をツボに刺すと、体内でどのような変化が起きて症状がよくなるのか?
ツボとは何なのか?
この点を科学的に説明できれば、はり治療を「東洋の神秘」と表現はされないでしょう。しかし、現時点では鍼の刺激による体の変化やツボの正体を科学的に解明できてはいません。
私は医療としての鍼灸が広く普及する未来を願っています。そのためには「科学的根拠」の必要性を強く感じます。
番組では「筋膜」の存在が経絡(ツボの流れるルート)やツボの正体に関わっているのではないかと紹介されていましたが、この説もまだ科学的根拠が乏しいのが現状です。
私が所属している「一般社団法人 整動協会」では、医師と共同で脳科学から鍼治療の効果を研究しています。MEG(脳磁図記録装置)という最先端の装置を使った研究です。
北海道の帯広、埼玉県の熊谷の病院を中心に仲間の鍼灸師たちが研究を行っています。論文化されれば業界にインパクトを与えることが予想され、私も陰ながら応援しています。
(谷地先生のブログ:鍼灸師と病院のコラボレーションが生み出すもの①)
医療現場における鍼灸
番組では、産科で「逆子」の妊婦さんが鍼治療を受ける様子も紹介されていました。
足のツボ(三陰交)に鍼を打ったときに、赤ちゃんが大きく動く様子をとらえたエコーの映像も放送されていました。
当院でも逆子の妊婦さんの施術を積極的に行っています。鍼をした直後に大きな胎動を確認できるケースも多く、鍼による母体の変化を胎児が瞬時に察知していることは臨床で経験していました。
当院での逆子の施術は27週から35週までの妊婦さんに対応しています。(くわしくは、解説ページ、症例ページをご確認ください。)
見終わって
この番組を見て鍼灸に対するイメージが変わったのでしょうか?
冒頭の街頭インタビューで男性が発した鍼灸は「うさんくさい」というイメージ。そのイメージが少しでも払拭されるものだったなら鍼灸師として嬉しいです。
鍼治療の科学的な解明は今後の研究に期待しつつ、鍼治療の活躍する場が医療機関にも広がっていることは伝わったと思います。
私が見終わって感じたのは、こんな感情でした。
やっぱり自分は、仕事にしている鍼灸施術を「神秘的」と表現されるのはイヤだ。10年前は「なんかよくわからんけどこのツボに鍼すると効く」現場が当たり前だったけど、今は「このツボに鍼をする理由を説明できる」現場にいる。だから、神秘的のままではガマンできなくなっている。#ためしてガッテン
— 谷口一也 (@__meguru) 2019年2月20日
(院長:谷口一也)
鍼灸院めぐる 院長
2010年「鍼灸整骨院めぐる」を開業。同年、活法に出会い衝撃を受ける。2016年に根本的な施術を目指し保険での柔道整復施術を停止する。「鍼灸院めぐる」に改名。スタッフと2名で鍼灸専門として日々奮闘中。気ままなブログ「はりパパ日記」もたまに更新中。