IBS分類
過敏性腸症候群(IBS)のタイプ
過敏性腸症候群(IBS)は、抱える症状によって「下痢型」「便秘型」「混合型」の3つのタイプに分類されています。このページでは、タイプ別に解説していきます。
下痢型
テストの前や会議の前などにトイレに行きたくなる
食後にお腹が痛くなりトイレに駆け込む
旅行など環境が変わると下痢をする
外出時はトイレの場所を確認しておかないと不安になる
これらの症状が複数当てはまる場合は、下痢型IBSの可能性があります。
下痢とは
口から入った飲み物はもちろん食べ物にも多くの水分が含まれています。それらは胃で消化されますが、そこでも消化液が分泌されますので多くの水分が腸へと流れ込みます。小腸で8割ほどの水分が吸収され、さらに大腸で水分が吸収され便が形作られます。
健康な便は、水分が60%から70%含まれています。さらに水分量が増えると軟便。水分が90%を超えると下痢となります。
下痢になる原因
・細菌やウイルスによる感染性の腸炎
・癌や潰瘍など大腸の病気
などが考えられます。しかし、慢性的に下痢の症状があり、検査で大腸に異常がない場合、過敏性腸症候群の下痢型の可能性があります。
下痢型IBSの原因
「セロトニン」とストレス
通常、脳がストレスを感じると腸の粘膜よりセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。過敏性腸症候群では、脳のストレスが腸に伝わりやすく、腸が過剰に反応して腸からセロトニンが多く分泌されてしまします。
このセロトニンは、腸の動きを調節しています。セロトニンが多く分泌されることで腸の動きが過剰になり、下痢になってしまいます。
また、過敏性腸症候群の人は腸が過敏になっているため、痛みも感じやすく腹痛を起こしてしまうのです。
便秘型
残便感がある
排便によってお腹の不快感や腹痛が軽減する
お腹の張りを感じる
便秘型のIBSは、便秘や腹痛、腹部の不快感が繰り返しおこるもので、それらが排便によって改善されるものとされています。
一方、機能性便秘は、生活習慣(食事や運動など)の乱れによって、腸の機能が低下し起こる便秘。もっとも多い便秘の原因とされています。
便秘の原因
・消化器系の病気(器質性便秘)
大腸がんやクローン病などで腸の構造に異常があり便秘が起こります。
・内科系の病気(症候性便秘)
糖尿病やパーキンソン病など内科疾患に原因がある場合にも便秘が起こります。
・お薬の影響(薬剤性便秘)
抗コリン薬や抗うつ薬などは便秘になりやすいので注意が必要です。
・その他
原因がはっきりしていないものとして、「機能性便秘」と「便秘型IBS」があります。
混合型
排便前に腹痛が起こりやすく、排便後おさまる
腹痛や腹部の不快感を伴う
お腹が張りやすい
混合型とは、下痢型IBSと便秘型IBSの症状を繰り返すタイプです。