お灸は熱いですよね?
お灸は熱いですよね?痕も残りますよね?
患者様によく質問されるシリーズの第2弾です。「お灸って熱いんですよね?」「痕が残りますか?」と聞かれることがよくあります。お灸にも多くの種類があるため、一言でお答えしづらい質問でもあります。
まずは、お灸の種類から説明します。
お灸の種類
お灸には皮膚に直接すえる直接灸と、間接的に皮膚をあたためる間接灸に分けられます。
直接灸(ちょくせつきゅう)
お灸は、ヨモギの葉の裏にある繊毛から作られる「もぐさ」を用います。皮膚の上にもぐさを置き、線香で火を点けます。もぐさが皮膚の上で燃えきるまで置いておくことを透熱灸と呼びます。
もぐさの大きさや硬さによって熱さは変わります。当院では米粒の半分くらいの大きさに捻ったもぐさを使用します。(もぐさの大きさは下のイメージ図のものよりも小さいです。)
間接灸(かんせつきゅう)
皮膚の上に燃えたもぐさが直接触れない方法を間接灸といいます。
隔物灸:もぐさの下に塩やしょうがなどを敷き、その上でもぐさを燃やします。
台座灸:既製の台座などで筒状の空間を作っているもので、間接灸として一般的な種類。
棒灸 :棒状のもぐさを皮膚に近づけて燃やします。輻射熱を利用した方法です。
知熱灸:透熱灸でも用いるもぐさ(米粒半分)に火を点け、8分ほど火が透ったところで
消す方法です。灸のプロである鍼灸師が用いる技術が必要な方法です。
愛媛でのお灸
ここ愛媛では自宅でお灸をすえるということが日常的に行われていた地域です。そのため、道後温泉商店街では今でも「もぐさ」が売られています。
(道後温泉商店街ではアンパンマンの隣にもぐさが売られています)
私が以前勤務していた愛媛県の愛南町では、その昔、さすらいの灸師(?)が現れ、体にお灸の印だけを付けながら各地をまわって旅をする男性がいたそうです。
また、おじいちゃんやおばあちゃんの背中には親指大ほどのお灸の痕が残っていることがよくあります。昔は親指ほどの大きさに丸めたもぐさを据えていたようで、かなり熱かっただろうと思います。
お灸の刺激量
しかし、お灸は大きければ(熱量が多ければ)効くわけではありません。特に直接する透熱灸であればエリアではなく、点の刺激が効果的になります。
大きなもぐさでお灸を直接行うと熱さを感じる時間が長くなります。すると交感神経が優位になり、血管を収縮させ、血流も悪くなります。
一瞬熱い(チクッとする程度)もしくは、心地よい程度の熱量でお灸を行うことが体にとっても優しい方法です。ご自宅でのセルフケアとして台座灸をおすすめしていますが、その場合も、熱さをガマンせず心地よい程度の熱感を目安に行ってもらうようお話しています。
お灸の痕が残りますか?
また、痕が残るのではないかと心配する声を聞くことがあります。痕が残るのは直接灸(透熱灸)の場合です。それでもプロの行うお灸であれば、米粒の半分ほどのもぐさですので、痕が残ったとしてもほくろよりも小さい痕が残る程度です。
ご自身で直接灸を行う場合は、多少大きくなりやすいため見た目にも痕がわかることがあります。
台座灸の場合でも、熱さをガマンしすぎると水ぶくれになり痕が残ることもありますのでチクチクと熱さを感じれば取り外しましょう。
院長:谷口一也
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鍼灸院めぐる 院長
2010年「鍼灸整骨院めぐる」を開業。同年、活法に出会い衝撃を受ける。2016年に根本的な施術を目指し保険での柔道整復施術を停止する。「鍼灸院めぐる」に改名。スタッフと2名で鍼灸専門として日々奮闘中。気ままなブログ「はりパパ日記」もたまに更新中。
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