鍼灸院と整骨院の違い
鍼灸院と整骨院(接骨院)の違いとは?
当院ははりきゅう専門の鍼灸院です。
院長の谷口が持つ国家資格は、鍼灸師・柔道整復師です。それぞれの資格取得に3年以上の養成学校(大学)を卒業し国家試験を受け取得しました。
鍼灸師の資格を持つ者が「鍼灸院」を、柔道整復師の資格を持つ者が「整骨院(接骨院)」を開業できます。両方の資格を有する院は「鍼灸整骨院」と屋号をつけることもあります。
2009年の開院より2015年まで保険診療(柔道整復術)も行う整骨院であったため、「鍼灸整骨院めぐる」という院名でした。
2015年より施術方針を変更し、保険診療による柔道整復施術を完全に辞めました。2016年10月より院名も「鍼灸整骨院めぐる」から「鍼灸院めぐる」に変更しました。
理由としては、柔道整復師としての役割を全うできる環境ではなくなってきたからです。
施術に対する考えと施術にギャップが生じたからです。
部分的な手当を得意とする柔道整復、全体の調和から調整することを得意とする鍼灸。私は全体のバランスを調整する施術方法を選んだため、柔道整復術と併せて施術することに違和感を覚え、鍼灸専門に変更しました。
鍼灸院、整骨院とは何なのか、また整体院と何が違うのか解説します。
鍼灸院(しんきゅういん)とは?
鍼(はり)や灸(きゅう)を使って施術をおこなう医療施設を鍼灸院といいます。
施術を行えるのは、国家資格を持った鍼灸師(はり師、きゅう師)です。
東洋医学として誕生した鍼灸は、脈診、腹診、舌診などの方法で身体の状態を把握、診断し鍼や灸を使って身体のバランスを整えたり、機能を回復させる施術法です。
タイプ別にみる鍼灸院
〈東洋医学としての鍼灸〉という位置づけだけでは数多くある鍼灸院を説明できません。施術に対する考え方や得意分野などから、いくつかのタイプに分類できます。
①伝統的な鍼灸:脈診、腹診などの診察方法や伝統的な鍼灸の理論から施術を行う
②西洋医学的な鍼灸:現代医学の知識を元に診断、施術を行いう
③専門特化型の鍼灸:特定の得意分野を専門的に行う
鍼灸施術の方法
・痛みのあるところに鍼をする
・痛みとは離れたところ(遠隔部)に鍼をする
・たくさん鍼をする
・少数の鍼をする
・太くて長い鍼を使う
・細い鍼を使う
・刺さない鍼(皮膚に当てる)をする
それぞれの鍼灸院の方針によって、考え方や扱う鍼に違いがあります。
当院で行う鍼灸の考え方はこちらをご覧ください。≫当院の鍼灸理論
整骨院(接骨院)とは?
整骨院とは、柔道整復師(じゅうどうせいふくし)が柔道整復施術を行う場所のことです。骨や筋肉、腱などをケガで痛めた場合、骨折や脱臼、捻挫など急性のケガの施術を行います。
急性期のケガに対し、国家資格を持つ「柔道整復師」は健康保険を利用した施術が認められています。ケガを施術するスペシャリストといえます。
健康保険はどんな時に使えるの?
整骨院で保険を利用した施術が認められるのは、急性期のケガのみです。
- 骨折
- 脱臼
- 捻挫
- 打撲
- 肉離れ
上記の5つに限られます。これらのケガの場合は柔道整復術を保険を利用して受診することができます。慢性の肩こり、腰痛、関節痛などは保険の適用になりませんのでお気を付けください。整骨院(接骨院)は「ケガ」をした時に掛かるという認識で良いです。
整形外科と整骨院の違い
整骨院で施術を受けられる適応疾患(保険適用の場合)は、整形外科領域の中の1分野です。
整形外科と整骨院では、施術を行える疾患(ケガ)は同じになります。決定的な違いは、整形外科では医師が医療として施術を行う点です。
X線(レントゲン)やMRIなどの検査を元に診断し、投薬、注射、手術を行えます。これらは柔道整復師には認められていません。
柔道整復術は古来より伝わる伝統的な整復術でもあります。脱臼や骨折の整復、固定などはその場ですぐに施術もでき、メスを使わないので手術痕が残らないというメリットもあります。また、急性期の処置後に行う物理療法や手技療法、運動療法、テーピングなどは整形外科でも整骨院でも行います。
整体院とは?
ただ、リラクゼーションを目的とした手技療法もあれば、カイロプラクティックや日本古来から伝わる手技のように不調を治すことを目的とした療法も同じ「整体」という二文字で表現されているのが現状です。
鍼灸師、柔道整復師と大きく違う点は、資格です。
整体を行うために資格は必要ありません。「整体師」という国家資格が存在するわけではありませんので、民間の資格を取得した者(資格がなくても)が「整体師」として施術を行えます。
整体と呼ばれる各種療法をみても、整体師の能力をみても、幅は広いと言えます。慰安を目的にしているのか、不調を改善することを目的にしているのか。まずは施術を受ける側のスタンスを明確にすることが「整体院」選びの第一歩です。