お父さんと育児(2) 世界のイクメン事情
世界のイクメン事情
前回の記事では、父親の育児参加の現状について調べてみました。〈お父さんと育児(1)〉
イクメンという言葉は普及し、父親の育児参加は珍しいものではなくっていますが、パタニティ・ハラスメントなど職場の雰囲気や理解の得られない風潮もあり、育児休暇を長期間取得することが難しいのが実情のようです。日本にはまだ「男性は仕事、女性は家事・育児」という空気が根強いことも、育休期間が短い理由の一つです。
では、世界各国のイクメン事情はどうなのでしょうか?今回は世界の育児事情を調べてみました。
日本人男性の育児時間は 39分
総務省の「社会生活基本調査」(平成23年)を見れば、6歳未満の子供のいる夫婦がそれぞれどのくらい家事と育児をしているのか確認することができます。
日本人の1日の家事・育児関連時間をみると、女性は1日平均7時間41分を家事に費やし、そのうち3時間22分は育児にあてていました。
一方で男性はというと、家事と育児をあわせて1時間7分。そのうち育児時間は平均わずか39分にすぎません。
「男性の家事・育児時間の比較(社会生活基本調査)」
このデータによると、アメリカでは男性が1日のうち平均3時間13分(うち育児1時間5分)、スウェーデンでは平均3時間21分(うち育児1時間7分)を家事に費やしています。
世界的にみても日本のお母さんは多くの時間を育児に費やしている一方、お父さんの育児時間は極端に少ないと言わざるを得ません。
また、育児だけでなく家事全般の時間を見ても、世界との差は歴然です。むしろ日本人男性は家事に費やす時間を増やすことでお母さんの育児の負担を減らせると考えられます。イクメンよりカジメンが優先されるべきです。
日本人男性は世界一の長時間労働
では、なぜ日本人男性はこれほどまでに育児の時間が少ないのでしょうか。ただダメなお父さんが多いわけではなさそうです。その理由として考えられるのが、長時間労働。
日本の男性は世界でも有数の長時間労働をこなしています。
OECDの調査によると、日本人の休日も含めた1日あたりの平均労働時間は世界最長。一方でレジャーにかける時間は最短。特に都市部のサラリーマンは労働時間が長く、育児にかける時間がないという男性も多いと思われます。
国が「イクメン」を推進するのならば、長時間労働を良しとする空気を変えることも国として取り組む必要がありそうですね。育児に時間を使いたくても使えない現状があることも事実ですから。
(院長:谷口一也)
参考資料:OECD(国際労働比較2014)、総務省「社会生活基本調査」(平成23年)
鍼灸院めぐる 院長
2010年「鍼灸整骨院めぐる」を開業。同年、活法に出会い衝撃を受ける。2016年に根本的な施術を目指し保険での柔道整復施術を停止する。「鍼灸院めぐる」に改名。スタッフと2名で鍼灸専門として日々奮闘中。気ままなブログ「はりパパ日記」もたまに更新中。
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