逆子と鍼灸
妊娠33週 逆子 30代の女性
こんにちは。院長の谷口です。
逆子で受診されていたAさんから2回目の施術の後に報告メールをいただきました。(ご本人の承諾を得て掲載)
おはようございます。
検診終わりました
逆子治ってると言われました^_^
先生の施術のお陰です~
お灸は続けた方がいいですよね?
またお灸購入して続けます~!
30代女性(初産婦)で妊娠33週でした。初診で33週ですと、時間的な余裕がありませんので、こちらも緊張感が高まります。
お話を聞けば、来週には他県へ里帰り出産の準備で帰られるとのことで、実際の通院期間は1週間となります。
33週を経過していると、施術の間隔も重要な点になります。33週以降は当院では1日おき(週3回)の施術を提案しています。
一定期間続いている逆子は難しい
いつから逆子(骨盤位)なのか、その状態が続いているのか、この点も施術頻度を決定するために重要です。
逆子になって、直って、また逆子になるケースは、施術をした後に直りやすい印象です。一方で、25,26週で逆子を指摘され、そのまま一度も直らずに33週を過ぎてくると、施術の回数がかかったり、直らないケースもあります。
Aさんの場合は来院時に33週。29週から逆子のままという状況でした。約1ヶ月間は逆子のままだったわけです。
お母さんの肩こりと逆子の関係
お母さんの骨盤内に原因がある場合もあります。前置胎盤など胎盤の位置に問題がある場合や子宮筋腫を合併している場合も逆子の原因となります。
こうした骨盤内の状況を鍼灸師は見分けられる手段はありません。鍼灸ではどうしようもないケースがあるのも事実です。
一方で、お母さんのちょっとした不調を改善させることで、結果的に逆子が直ることも非常に多いです。
私たち鍼灸師は手でお母さんの体に触れ、お腹だけでなく、首や肩、背中、腰の張りやコリ、冷えを探ることができます。こうしたコリや冷えの改善がお腹の赤ちゃんにも影響しています。
Aさんのように、右の肩甲骨周辺にコリを感じるケースでは、お腹も右側の肋骨付近が硬くなっていることがあります。
赤ちゃんは通常、骨盤に頭を収めていますが、それは骨盤という硬い骨に頭を守らせるためです。本能的に硬いもののそばに頭を寄せていれば大丈夫だと判断しているのです。
お腹の中に硬い部分(コリ)があった場合、その硬いところへ頭を持っていく可能性があります。このように、肩こりから逆子になってしまうケースも考えられます。
Aさんの施術内容
Aさんはお腹の張りが強く、見た目にも「まんまるのお腹」ではなく、いびつな形になっていました。
右側に頭があり、左側に背中とおしりがあります。原因が肩こりだけとは断定できませんが、一つの原因として考えられますので右肩甲骨のこりを改善させるよう施術を行いました。
また、骨盤内の筋肉の動きを良好にすることで骨盤内の血流も促進されます。初回は整体術を中心に肩、腰(おしり)の循環を促す施術を行いました。
ご本人が足先の冷えも訴えていることからも、骨盤内の循環を促すためのツボに鍼を行い初回は終了しました。
2診目(4日後)では、明らかにお腹の張りが減っていたため、Aさんに「大きな胎動はなかったですか?」と尋ねたのですがAさんは「特に感じませんでした。」と。
しかし、お腹の張りが減り、見た目にも前回より丸いお腹になっていることから、私はよい兆候を感じました。前回と同様に整体術、足のツボに鍼を行いました。
今回の施術で最後になることから、施術の終わりに自宅でできるお灸をお伝えし、右足のツボ(1カ所)に印をつけました。
検診の結果
施術の翌日が検診の日だと聞いていましたので、どのような結果であれメールでの報告をお願いしました。そして、届いたのが冒頭のメールです。
この瞬間は、鍼灸師冥利に尽きます。
Aさんにとって初めてのお産が安産であることを遠くから祈るばかりです。
鍼灸院めぐる 院長
2010年「鍼灸整骨院めぐる」を開業。同年、活法に出会い衝撃を受ける。2016年に根本的な施術を目指し保険での柔道整復施術を停止する。「鍼灸院めぐる」に改名。スタッフと2名で鍼灸専門として日々奮闘中。気ままなブログ「はりパパ日記」もたまに更新中。